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【日本株】相互関税の発表後も株価がしっかりしているテクニカル的な理由とは? | 福永博之のいまさら聞けないテクニカル分析講座 | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
5日移動平均線を割り込んだあと、下げそうで下げない日経平均
日経平均は6月30日の取引時間中に40,852円の高値をつけた後、上ヒゲを形成して5日移動平均線を下回って戻せなくなっており、一旦株価が天井を形成した形になっています。しかし、その後の株価を見ると横ばいが続いています。
また、5日移動平均線が上値を押さえているにも関わらず、株価は下げ渋っています。特に注目されたのは、日本時間7月8日の午前1時過ぎにトランプ米大統領が日本に対する関税率を自身のSNSで25%にすると発表し、東京市場の売り材料になるかと思われました。
ただ、実際に取引が始まってみると、売り材料になるどころか取引開始直後が安値になると、日経平均は反発して陽線を形成して終えました。こうした状況はなぜ発生したのでしょうか。
実はテクニカル的に理由があります。株価には上昇が止まった価格や下落が止まった価格がありますが、その価格のことを節(ふし)または節目(ふしめ)と呼んでいます。またこの節目が7月に入ってから破られていないために、株価が下げ止まってもち合いを形成していると考えられるのです。
では、その節目となっている価格と日付はいつでしょうか?それは、7月2日の取引時間中につけた安値39,444円です。この価格を割り込んでいないことから、株価が下げ止まっていると考えられる反面、この価格を下回ってしまうと25日移動平均線辺りまで下落することが視野に入ると考えられます。
また、この価格を割り込まずに横ばいが続いた場合はどうなるのでしょうか。横ばいが続くと、下向きの5日移動平均線をいずれ上回ることが考えられ、早晩日経平均が再び4万円台を回復する可能性があることになります。ただ、そのためにはもう1つ条件を満たす必要があります。それがモメンタムの上昇です。
【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、200日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示
モメンタムが上向きに変化するか要注目
モメンタムの水準を見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っていますが、0ラインを上回って維持していることも、株価が5日移動平均線を下回った後も下げ渋っている理由の1つと考えられます。
そのため、モメンタムの水準が切り上がるか、低下するかが、今後の値動きを左右する重要なカギになるでしょう。
そうしたなか、仮にモメンタムとその移動平均線であるシグナルの横ばいが続くようなら、株価も横ばいで推移することが考えられますが、一方で、上向きに変化して上昇したり、下落して0ラインを割り込んだりするようなら、上昇または下落の勢いが加速して、モメンタムが動いた方向に株価も動き出すと考えられます。
そのため、動いた方向と逆のポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に注意が必要です。モメンタムの水準や方向に注意して、日経平均が動き出すタイミングを逃さないようにしたいところです。