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【為替】膠着の米ドル/円相場、動き出すのはいつ? | 大橋ひろこのなるほど!わかる!初めてのFX | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア
米ドル/円、次のトレンド発生には充電期間が必要
米ドル/円相場がすっかり膠着してしまっています。2025年1月に158.87円の高値をつけてから4月のトランプ関税ショックでの円高の極みが139.88円。2025年の前半に19円もの円高が進行したということもありますが、米国が2025年前半、政策金利を動かさなかったという点も挙げられるかと思います。
4月以降、足元では142円~148円幅でのBOX相場ですが、3ヶ月かけて大きな20円の円高トレンドを演じたため、次のトレンド発生にはある程度のエネルギー充電期間が必要ということでしょう。
投機筋は円高想定を維持
投機筋のポジションもネット円ロングに偏ったままで、投機家らの円高想定は変わらぬままです。ただ、さすがに5月には円ロングが17.9万枚と過去最大規模まで膨らみ、これ以上円を買う余力がないところまで来ていました。
現状はこの膨張した投機玉が12.7万枚までやや整理されましたが(円買いポジションが整理=円安圧力)、それでもまだ10万枚を超えるポジションが積み上がったままです。投機家らは、このBOX相場は下抜け=円高方向に再度新たなトレンドを作るとみているのでしょう。
日米の金融政策、日米金利差も膠着
その背景にあるのが、米国の利下げ再開と日銀の利上げによる日米金利差縮小観測です。日銀は1月に2回目の利上げを実施してから慎重になっており、次の利上げ時期が不透明です。トランプ関税などの外部要因に加え、5月の景気動向指数は2020年7月以来の「悪化」に見通しが引き下げられました。日本経済の実態が利上げを受け入れられない状況になってきています。
また、米国は2024年9月に最初の利下げを始め、その後11月、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げを発表しましたが、2025年に入ってからは利下げが停止されています。FRB議長はトランプ関税の影響が2025年夏以降、インフレという形で現れる可能性に言及しており、トランプ米大統領からの利下げ圧力にも屈せず高金利を維持しています。
日米金利差縮小は思いの外進まず、日米の金利差も膠着していることが、米ドル/円の膠着に繋がっているのです。
米ドル/円が動き出すのはいつか?
米ドル/円が動き出すのはいつでしょうか?米経済指標の明らかな悪化、米株の下落が加速することがあればFRBは利下げ再開に動くでしょう。その意味では雇用統計などのハードデータがとても重要ですが、6月分の数字があまりに良かったことで、結局、膠着相場が続いています。
ただし、労働市場は夏以降悪化する傾向がありますので、8~9月の雇用統計には注意が必要です。米ドル/円が再び大きく動き出すのは、その頃ではないでしょうか。