(出典:saylor)
マイケル・セイラーは、暗号資産業界におけるビットコイン最大級の強気派として広く知られています。米国のビジネスインテリジェンスソフトウェア企業「MicroStrategy」の共同創業者兼エグゼクティブ・チェアマンであり、2020年には同社の資産を活用した大規模なビットコイン購入により、伝統金融市場とWeb3コミュニティの双方に大きな衝撃を与えました。
セイラー氏は先見性ある起業家にとどまらず、「ビットコインはデジタル・ゴールドであり、人類の金融的自由を実現する手段だ」と公言する熱心なビットコイン支持者でもあります。彼の発言やSNSでの投稿は、暗号資産コミュニティ全体のセンチメントや市場動向に大きな影響を与えています。
1965年生まれのセイラー氏は、マサチューセッツ工科大学(MIT)にて航空宇宙工学と科学を専攻し、卒業しました。1989年にMicroStrategyを創業し、エンタープライズ向けデータ分析やビジネスインテリジェンスソフトウェアに注力。2000年のドットコム・ブーム期には同社の時価総額が急騰した一方で、財務再表明問題や株価急落といった厳しい局面も経験しました。そうした逆風の中でも、セイラー氏はMicroStrategyを変革へと導き、分析市場での競争力を維持してきました。そして、2020年からのビットコインへの戦略的転換こそが、Web3史におけるセイラー氏の地位を決定づける出来事となりました。
2020年8月、MicroStrategyは現金準備金の一部をビットコインへ転換する方針を発表し、初回取引として2億5,000万ドル分のビットコインを購入しました。当時セイラー氏は「法定通貨は急速に価値を失っており、ビットコインこそが見出した中で最も優れた価値保存手段だ」とコメント。その後も同社は転換社債発行などを通じ、ビットコイン保有量を継続的に拡大。2025年半ば時点で、同社のビットコイン保有量は60万枚を超え、平均取得価格は現在の市場水準を大きく下回っており、上場企業として世界最大級のビットコイン保有者になりました。
(coingeckoのデータによれば、MicroStrategyは引き続き企業として世界最大のビットコイン保有者です。)
セイラー氏は、ビットコインを資産としてのみ扱うのではなく、金融的自由を実現するテクノロジー、すなわちインフレへの耐性、検閲回避、通貨価値の下落や主権的金融支配への対抗までを視野に入れています。各種講演で「ビットコインは全人類の希望であり、デジタル時代の資産保全手段だ」と訴え続け、現金保有のリスクやドル建て資産の価値毀損も指摘。ビットコインを受け入れない企業はいずれ歴史に取り残されると警鐘を鳴らしてきました。こうした信念が、多くの機関投資家や起業家による暗号資産の重要性再評価につながっています。
セイラー氏は暗号資産業界で非常に積極的に情報発信を行っており、X(旧Twitter)ではフォロワー数が400万人超に上ります。ビットコインの価格動向、マクロ経済情勢、そしてモチベーションに関するトピックまで幅広く発信し、ビットコイン関連カンファレンスや主要メディアのインタビューにも定期的に登壇しています。また、自身が立ち上げたオンラインイベント「Bitcoin for Corporations」では、CFOを対象に企業財務戦略へのビットコイン導入方法を指南。こうした活動によって、ビットコインはメインストリーム資本市場における正当性を着実に高めています。
Web3支持者から厚い敬意を集める一方で、伝統メディアや一部投資家からは依然として懐疑的な声も上がっています。批判者は「上場企業が過度にボラティリティの高い資産へ依存し過ぎている」「株主資本を極端な投資に使っている」などと主張。しかしビットコインの過去推移を踏まえると、MicroStrategyのビットコイン戦略は依然としてリターンがプラスです。セイラー氏は長期的価値へのコミットメントと、21世紀のコア・デジタル資産としてのビットコインへの確信を一貫して強調しています。
セイラー氏の影響力はもはや起業家の領域にとどまらず、ビットコイン教育の推進、規制対話、そして金融的自由の啓発へと拡大しています。Web3財団や分散型プロトコルの支援、世界的なビットコイン認知度向上にも寄与。そのリーダーシップのもと、ビットコインはもはや単なる暗号資産の“安全資産”から主流金融資産へと発展しており、Web3と従来型金融の融合を加速させています。
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マイケル・セイラー氏の軌跡は、エンジニア・起業家から暗号資産時代を代表する存在へと成長した道のりそのものです。企業をビットコインのセーフヘイブン資産へと導く判断は、単なる財務施策にとどまらず、現代的価値観の体現でもあります。情報が氾濫し資産ボラティリティが高まる時代において、セイラー氏のビットコインへの確信は、法定通貨インフレへの対抗策であり、金融的自律を実現するための具体的アプローチとして注目されています。