暗号資産市場概況

• BTC（-2.36%｜現在価格：118,925米ドル）：8月12日、BTCは再び史上最高値に挑戦し、日中の高値は122,320米ドルと、直近の最高値123,223米ドルには1,000米ドル弱届きませんでした。その後、急速な反落で118,925米ドルで終値を付けました。この値動きと調整は、前日比10.5%の取引高増加を伴いました。現在、121,000米ドル超と119,000米ドル未満にショートポジションの流動性が集中しており、このレンジでの価格推移は大規模な清算を誘発する可能性があります。8月11日にはBTC ETFに1億7,800万米ドルの純日次流入があり、BlackRockのIBITには1億3,800万米ドル、FidelityのFBTCには1,300万米ドルが流入。これらは機関投資家によるビットコインの積極的な買い増しとポートフォリオでの比重増加を示唆します。
• ETH（-0.49%｜現在価格：4,285米ドル）：機関投資家の資金流入とETFへの継続的な投資を背景に、ETHは昨日年初来高値の4,365米ドルを更新し、ボリンジャーバンド上限や5日移動平均線など主要なレジスタンスを突破しました。過去24時間の取引高は471億3,800万米ドルと前日比23.24%増。現在は調整・もみ合いとなっており、次の上昇トレンドへ向けたエネルギーを蓄積している可能性があります。8月11日にはETH ETFの純日次流入が101億8,000万米ドルとなり、BlackRockのETHAが63億9,000万米ドル、FidelityのFETHが27億6,000万米ドルの流入を記録しました。
• アルトコイン：主要なアルトコインは直近の上昇後、本日は軒並み下落基調となり、Dogeは5.88%、SUIは6.47%下落しました。7月以降、フィア・アンド・グリード・インデックスは急伸しており、30%以上の上昇幅となっています。8月11日にはアルトコイン市場全体の時価総額が年初来高値の1兆6,100億米ドルに達し、フィア・アンド・グリード・インデックスも60まで上昇して「グリード（強気）」ゾーン入り。投資家は過熱した相場心理によるリスクにご注意ください。
• マクロ：8月11日、S&P500は0.25%下落し6,373.45ポイント、ダウ平均は0.45%下落の43,975.09ポイント、ナスダック総合は0.30%下落の21,385.40ポイントでした。8月12日2:50（UTC）時点で現物金価格は1オンスあたり3,350米ドル（24時間比0.24%上昇）です。

注目トークン

BCH – ビットコインキャッシュ（+2.95%、時価総額：117.77億米ドル）

Gate市場データによると、BCHは現在594.27米ドルで取引され、過去24時間で約2.95%上昇しています。ビットコインキャッシュ（BCH）は、ViaBTCによるBitcoin ABC案に基づき、2017年にオリジナルのビットコインチェーンよりハードフォークして誕生しました。主な特徴はオンチェーンスケーリング、新署名方式、難易度調整アルゴリズム、分散型開発体制などです。サトシ・ナカモトのスケーリングロードマップに従い、ピアツーピア電子現金システムの世界的普及を目指しています。

直近では、Smart Money Index（SMI）がBCHへの機関投資家の関心高まりを示し、指数は85.1まで上昇 ― 6月初旬から220%以上の伸びとなり、“スマートマネー”の強い自信がうかがえます。継続的な機関流入が市場心理を押し上げ、個人投資家の参入も進み、価格は堅調に推移しています。技術的観点では、買い優勢が続けば620.40米ドルのレジスタンス突破が期待されますが、572.80米ドルを下回ると444.70米ドルまでの下落リスクが生じます。ボラティリティが顕著に高まっているため、急激な値動きにはご注意ください。

UNI – ユニスワップ（+0.49%、時価総額：71.62億米ドル）

Gate市場データによると、UNIは現在11.39米ドルで推移しており、過去24時間で約0.49%上昇、取引高は67.05%増と大幅に拡大しています。UniswapはEthereum上の分散型取引プロトコルで、AMM（自動マーケットメイカー）モデルを採用し、中央仲介業者に依存せずトークン交換が可能です。ガバナンストークンUNIによるコミュニティベースの意思決定プロセスも持ちます。今回の上昇は、Uniswap Foundationによる、ワイオミング州のDecentralized Unincorporated Nonprofit Association（DUNA）法に基づく新法人「DUNI」設立提案が主因です。この新法人は現在のUniswap DAOに法的基盤を与えつつ、分散型ガバナンスの維持を図ります。DUNA枠組みはブロックチェーン組織専用に設計され、契約、サービス提供者雇用、税務・規制対応を法人化せずに実現可能です。承認されれば、Uniswap Governanceはこの枠組みを採用する最大の分散型組織となります。計画では、過去の税金・罰金・法務費用として約1,650万米ドル相当のUNIを充当、税負担は1,000万米ドル未満を見込んでいます。DAOとして法人課税を選択した実績はありません。

LDO – リド（+1.90%、時価総額：13.69億米ドル）
Gate市場データによると、LDOは現在1.52米ドルで取引され、過去24時間で1.90%上昇、取引高も13.39%増となっています。Lidoは世界最大のリキッドステーキングプロトコルとして、ユーザーが自身でノードを運用せずとも資産をステーキングし報酬を得るとともに、流動性も確保できます。Lido DAOは米国SECによる重要判断を受け、直近1週間で54%の急騰となり、リキッドステーキングETF開発の規制障壁が解消されました。現在のLidoのTVL（預かり資産総額）は330億米ドル規模で業界トップを維持しています。ステーキングは、ブロックチェーン検証参加と報酬獲得のため一定数量の暗号資産を保有するメカニズムで、今回の規制追い風により機関投資家の注目も集まっています。今後はリキッドステーキング商品がETF商品に組み込まれることで、Lidoに新たな成長機会が広がる可能性があります。

アルファインサイト

アルトコイン市場が広範な調整、暗号資産時価総額3.96%減少

数日連続の上昇を経て、暗号資産市場は本日広範囲に調整入りしました。分野別ではAIセクターが最大の下落率を記録し、過去24時間で7.20%下落。Virtuals Protocol（VIRTUAL）は9.88%、ai16z（AI16Z）は13.16%、Fartcoin（FARTCOIN）は18.58%下落しました。他分野ではCeFiセクターが0.83%下落するも、Cronos（CRO）は2.43%上昇し健闘。PayFiは1.59%下落、ビットコインキャッシュ（BCH）は一時的に4.09%上昇。Layer 1資産は2.34%下落する一方、TRON（TRX）は2.63%上昇。Memeセクターは5.51%下落、Pump.fun（PUMP）は13.36%の大幅上昇を維持しました。全体として高値圏での分化が進み、短期資金流入による小型トークンでの短期チャンスは残るものの、リスク選好は低下傾向です。投資家はセクター間資金移動による急な調整リスクにもご注意ください。

暗号資産ETF市場、純流入4億1,900万米ドル―ETH ETFへの需要が急増

CoinMarketCapデータによると、8月12日に暗号資産ETF市場の日次純流入は4億1,890万米ドルに達し、このうちETH ETFへの流入は3億7,900万米ドル、BTC ETFは4,000万米ドルでした。この大きな差は、ETHへの機関投資家の投資意欲が高まっていることを示しています。運用資産残高（AUM）で見ると、暗号資産ETF全体のAUMは1,694億5,800万米ドル、そのうちBTC ETFは1,502億7,800万米ドル（88.7%）、ETH ETFは191億8,800万米ドル（11.3%）です。時価総額比では、BTC ETFがビットコインの時価総額の5.90%、ETH ETFがイーサリアムの時価総額の3.76%。ETH ETFへの強い流入は、ETHの年初来高値更新後の市場心理の改善と、今後の価格上昇に対する機関投資家の期待が背景にあります。しかし、過去1～3か月間のデータでは暗号資産ETF全体の純流出が継続しており、今回の資金流入は短期的なリバランスの可能性が高く、中長期的なトレンド転換とは言えません。短期的な資金流入と中長期的な流出が同時に進行する中、投資家は今後の資金動向やETH・BTC ETF間での資本配分変化にご注意ください。これらは次の市場フェーズを占う重要なシグナルとなり得ます。

Monad BFTコンセンサス、明日パブリックテストネットで稼働開始―EVM初のテールフォーク耐性型合意形成に注目

Foresight Newsの報道によると、Monad DevsはX（旧Twitter）にて、8月13日にMonad BFTコンセンサスメカニズムをパブリックテストネットに導入すると発表しました。これにより、EVM互換ブロックチェーンでは初となるテールフォーク耐性型の合意形成が実装されます。アップデートのため、パブリックテストネットは21:30（UTC+8）に一時停止されます。このメカニズムによってブロック最終性とネットワークセキュリティが一層強化されるため、Monadにとって性能・安定性の面で新たな飛躍となります。Monad BFTは、EVM互換チェーンの合意形成プロセス革新に加え、オンチェーンフォークの減少やトランザクション最終性向上への業界的な取り組みを体現するものです。革新的なテールフォーク耐性の導入によって、開発者やユーザーの信頼を一層高めるとともに、高性能な分散型アプリの誘致も期待されます。一方、こうした合意形成機構のアップグレードには技術検証やセキュリティ上の課題も伴うため、今後のテスト結果やコミュニティからのフィードバックが現実的価値を評価する上で重要となります。


参考文献

• Gate, https://www.gate.com/trade/BTC_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/btc/
• Gate, https://www.gate.com/trade/ETH_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/eth/
• Gate, https://www.gate.com/crypto-market-data
• Investing, https://investing.com/indices/usa-indices
• Investing, https://investing.com/currencies/xau-usd
• CoinGecko, https://www.coingecko.com/categories
• CoinMarketCap, https://coinmarketcap.com/currencies/uniswap/
• CoinMarketCap, https://coinmarketcap.com/community/articles/689a3daa2bf5ec32de19ae96/

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